鴨川からすぐそばの日本家屋、小上がりを上がるとちゃぶ台が並び、
昭和の日本を思わせる木造建築の店舗になにやら紅い提灯がかかっています。
いわゆる赤提灯などではなく、台湾で見る小さな提灯。
周りがギラギラしていないためかスッキリと落ち着いた紅い提灯です。
店内も開店待ちで並ぶくらいの人出があり、ほぼ満席の状態で撮影することは出来ませんでしたが、
昔の文豪が書いた本などが詰まった本棚の前に通され、楽しみながら待つことができました。
中庭もあり、手水や灯篭もあるあたり日本らしいなと調べてみるとそれもそのはず、
古い町家を改造したのだそう、田舎の祖父母の家に行ったような感覚にも思えます。
あくまで改造程度であり、リノベーションまではしていないため「便所」とありますが
トイレとかお手洗いではなく、まさに。です。
そんなとこも含めて好きになれるお店です。
メニューは、というとなかなか魅力的なメニューばかり並んでおり、どれを食べるか迷ってしまいます。
だいたい、そのお店で食べたいと思うメニューは多くても5割程度ですが、9割くらい食べたい
メニューが揃っており、さらに小吃まで揃っているというにくいメニュー構成。
しかし、初志貫徹で頂くのは魯肉飯。
割と少ないと思われる台南式の魯肉飯です。
まずは日本人らしく頂くのは台湾ビールでしょう。
微風台南さんでは、ハートランドと台湾ビール、金牌とマンゴーとパイナップルを取り揃えています。
なんと、台湾ビールを頼んで来たグラス、というよりジョッキがハートランドのもので
台日文化交流を思わせます。
もう一つ面白いのが、店員さんを呼ぶ際に使うのが呼び鈴。というより呼び鐘?
無粋な電子のものを使わず、京都らしい使い方でちょっとした気遣いがうれしくなります。
さて、初志貫徹した魯肉飯はいかがでしょう。
台湾で感動した味は濃くないのに肉の味わいがしっかりとした魯肉飯を彷彿とさせます。
八角はある程度効いていますが嫌らしくない効かせ方です。
なにが台南式の魯肉飯か、一番わかりやすいのはでんぶがかかっているところ。
この味つけは濃くないのに味わいがしっかり。というのは非常に難しく、素材や調理がしっかり
していないとただ単に味が薄いものになってしまいます。
そこをしっかりやっているからこそこんな美味しい魯肉飯ばかりではなく、美味しい料理を提供でき、
開店前から並ぶような人気店になるのでしょう。
もう一皿「沙茶羊肉」羊肉を沙茶醤で炒めたものでクセはありますが、甲殻類を発酵させた調味料で
うまみがあるため、アジア圏では使われることも結構あります。
柔らかい肉と羊肉のクセと沙茶醤のクセがうまい具合にマッチしており、なかなか楽しめる一皿です。
まさか日本で「おいしい皿」に出会うとは思いませんでした。
台湾では「おいしい」と書いてある皿を店で使っているところもあり、見る機会も結構あります。
日本家屋で台湾の食器などを使って台湾料理、もともと日本とゆかりがある台湾ですが
もっと台湾が好きになれそうな、日本と台湾のかけはしとなる微風台南さん
今回はお話を伺うことは出来ませんでしたが、次回は伺えることを楽しみに。
ごちそうさま。
微風台南
最寄り:京阪鴨東線 神宮丸太町
住所:京都府京都市上京区河原町通丸太町上る桝屋町359
営業時間:12:00〜15:00(LO14:30)、18:00〜22:00(LO21:30)
休日:月曜
喫煙:禁煙
台湾ビール:あり
微風台南 (台湾料理 / 神宮丸太町駅、京都市役所前駅、丸太町駅(京都市営))
夜総合点★★★★☆ 4.0