書店が連なる神保町とも言われる街ですが、北は楽器の街御茶ノ水、南は金融の街大手町、東西南北どちらへ向かっても食にうるさい人が働き、それぞれが混じり合う場所でもあります。

路地を入ったところに位置し、何の店だろうとのぞいてしまう人を惹きつける雰囲気があり、いつも引きも切らないカウンターのみの関山米穀店さんは名前は米屋のようですが、親の代まで続いた屋号を引き継いでおり愛を感じるものです。

いつもはカウンターに人がいないということはない店内、ポーションのちょうど良さ、店主の目配り、バイザグラスの豊富さで女性客も多いのがうなずけるものがあります。

スパニッシュ、イタリアンがメインではありますが、食材ごとの旬を感じる調理でメニューを見てもどれも食べたくなってしまうものばかりでついつい悩んでしまいます。

スパニッシュ、イタリアンなら合わせるものもワインが多く、びっくりするほど豊富なワインで特にグラスで出して頂けるものも多くあります。「こんなものが飲みたい」と伝えれば直球と変化球を合わせて出される楽しみがあります。

まずいただいたのはエビのカナッペ ゴイスアルギ風。あぶり焼きにしたエビの香ばしさと酸味があるサルサとマッチしてワインとともに胃が元気に動き出すのがわかるようにも思えて一口目にピッタリ。

ブロッコリーのプッタネスカソース。ブロッコリー自体にあえていないことでさっぱり感がありつつもオリーブとトマトのコクがあるソースで普段プッタネスカのパスタのイメージがいい意味で崩されます。

さりげなくカウンターに飾られる一輪挿しがまた心を和ませます。

牛トリッパの煮込みもトマトとハチノスの旨味がぎゅっと詰まっています。

ワインはスペインやイタリアに限らず世界中のワインもあり、もちろん山形の日本ワインも揃えられているんです。

コヨーテのロゴが素敵なイタリアトスカーナのワイン、ワインの豊富さと好みをついてくる店主のセレクトにも惚れ惚れとします。

ナチュールもあるのも最近らしいところ。その時々で変わるナチュールは面白いんです。

続いてカネロニのグラタン。ラビオリが筒状になったと言えばわかりやすいでしょうか、肉が詰められており熱く焼けたホワイトソースとハフハフ言いながら食べるのがまた良く、ワインは赤が良くあいます。

キャロットラペは早い段階で食べることが多いようにも思えますが、日本で言うと香の物としてもちょうどよく、最後から二つ目くらいに食べてもちょうど良いんです。柑橘系の香りが立っていてボウル一つ食べられそう。

そして台湾の豚めし、ルーローハンは強めの五香粉の香りで台湾のコンビニで感じるあの香り。台湾に帰ってきた。とも感じてしまうもの。北部らしい濃い目の味付けですが甘味も程よく感じられます。ワインとタパスの店 関山米穀店というだけあり魯肉飯にワインが合うことがわかりました。
店主に聞くと台湾で習ってきた魯肉飯だと。なるほど台湾の風を感じるわけです。美味しいワインもそれぞれ飲んだあとに魯肉飯をいただくことができるなんで最高としか言えません。
COVID-19によってしばらくはテイクアウト メインの縮小営業をされていましたが、6月ごろを目処に少しずつ店内でも賑わいを見せているそう。
テイクアウトではルーローハンのアタマとしても販売されていましたが、これからはどのようになっていくのでしょうか。
人気店でなかなか入れない関山米穀店さんですが、折を見てまた伺うことにしましょう。
ごちそうさま。
関山米穀店
最寄り:東京メトロ半蔵門線 神保町、都営三田線 神保町
住所:東京都千代田区神田小川町3-9 AS ONE神田小川町ビル 1F
営業時間:17:00〜24:00
休日:日曜
喫煙:禁煙
台湾ビール:なし