港町である神戸、昔から船が出入りする港町には各国との交易によって外国の文化が入り、外国人が形成した通りやエリアが点々と存在します。神戸の元町には中華街である南京町があり観光の名所ともなっています。
「楽関記」さんは南京町から駅の反対に出来た中国料理店。小籠包がおいしいと有名なお店ですがこちらで出される鹵肉飯(滷の簡体字)が面白そう。
ファッションや雑貨など、なかなか洒落たアイテムを取り扱う店が揃っている県庁側にある楽関記さん、最近の中国料理店に多く見られる白壁と木材で作られたファサード。得てしてちょっと尖った美味しいと思える中国料理を食べることが出来るお店に多いように思えます。
窓を開けてテイクアウトも出来そうな作り、お店が開いている際に出される看板が小籠包の形をしている細やかさ。
小籠包は作り置きをせずにオーダー後に包むところから始めます。常温では溶けてしまうゼラチン化したスープとそれを包む皮は繊細で時間を置くと蒸しあがった際に破れやすくなり、せっかくのスープが逃げ出してしまうのです。
平日に伺ったのは空いている時間を狙ったこともありますが、もちろんいただきたい小籠包ランチがあったため。小籠包と「ミニ」なご飯か麺がついているのがちょうど良いサイズ感でもあります。
小籠包を提供される際にそのままでも美味しいよ、と。必要なら黒酢がいいよ、と案内されるのは良いところ。
また、鹵肉飯にはラー油もオススメされました。
まずは前菜から。
ザーサイの塩漬け、きくらげの和え物、もやし。どれもこれもランチに出てくるレベルではなく、ちょっといいところのディナーで通用するレベルのものばかり。ついついビールをいただきたくなる誘惑を我慢します。
スープもシャキッとしたレタスが入っており、最後に香りのよいごま油を垂らして仕上げています。
ランチであるに関わらず、それぞれに作りたて感があるのがすごいところ。
そして鹵肉飯を頂きましょう。水、塩、醤油、鹵水肉、スパイスで煮込まれた鹵水肉を使って仕立てられています。
いわゆる台湾の魯肉飯とは異なりますが臭みが全くないキレイに煮込まれた鹵肉とタレを合わせているタイプで、台湾の魯肉飯飯を知ったうえで食べるとなるほどなと感じることが出来るもの。
油葱酥の香りもありませんが、かえって肉の上品さが際立ちます。
オーダー後に包んで蒸しあがってきた小籠包、薄めの皮にたっぷりとスープが詰まっています。餡は生姜が効いた濃いめの味付け。濃いのに上品さを感じるのがすごいバランスです。
どれもレベルが高いものばかりで平日とはいえかなりお得に感じられる値段です。
1階はカウンターとなっており、キビキビと動く厨師(シェフ)を見ながら頂くご飯もなかなか楽しいものです。
次回は夜にゆっくりと伺うことにしましょう、ごちそうさま。
楽関記(らっかんき)
最寄り:JR東海道本線 元町、東京メトロ丸の内線 荻窪
住所:兵庫県神戸市中央区北長狭通3丁目6−5
営業時間:11:30〜14:00、17:30〜21:30
休日:火曜
喫煙:禁煙
台湾ビール:なし
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