新橋駅前の繁華街の中にぽっかりと空いた公園のすぐ側にお店があり、3方から店を見ることが出来るという贅沢なお店「香味」がそこにあります。
本当に間口が狭く、写真で撮れている間口がそのまま奥まで続く細長い作りで、この狭さも台湾行った気分にさせられるような気もします。
間口の狭さに一瞬ひるみそうになりますが、お店の女将が出て迎えてくれます。
小さなお店ですが、21時も回ろうという時間でほぼ満席に近い人入りでした。
店内のメニューの貼り方もなんとなく日本のものではなく、台湾らしいような雰囲気が出ており、新橋にいるということを忘れさせてくれます。
台湾でも黒字のメニューに赤字で価格が下に記載され、似た雰囲気が出ており、台湾に来たぞと思わせる何かがあり、ワクワクしてきます。
この辺は台湾料理らしい掲示の仕方ですが、金針花のポスターが貼ってあるのがなんとなく嬉しい。
金針花の入ったスープが美味しいのでウリになっているとお腹に余裕があれば頼んでしまいます。
まずは台湾ビールで喉を潤してからメニューを眺めてみましょう。
このメニューページだけでも「台湾」というご飯がひしひしと伝わってきます。
「台湾鉄道弁当」ともありますが、台湾では弁当といえど、冷えた弁当を食べる習慣はなく、持ち帰りのご飯というスタンスであり、温かい状態で食べるのが台湾人の基本です。
「弁当」と表示があるものの、店内でもスペースがあればですがもちろん食べることができます。
まずは台灣肉圓(バーワン)をいただきます。
ひき肉などで作られたあんをくず餅でくるんだものでプルプルっとした感触があります。
台湾北部では肉圓を油で揚げますが、南部では蒸して作られるためプルプルっとした感触になります。
千と千尋の神隠しで千尋のお父さんが食べて豚に変わってしまったのが肉圓という噂はありますが、実際には違うようです。
でも食べてみると確かに肉圓のような気もしてきます。
開いてみるとひき肉と椎茸などの宝物が飛び出てきます。
まさに宝探しをした気分です。
本題の魯肉飯といきましょう。
魯肉が挽肉と角切りにされた肉との2種類がはいっており食感の違いがあり、食べた時の味にも変化が出てきます。
同じように煮ていても形状の違いにより、火の入り方、味の浸み方が異なるため一口ごとに味わいが異なるように思えるのは2度美味しいと思わされます。
八角の香りはほどほどに効いており、甘さとしょっぱさは控えめ。
しかし味が薄く感じるわけではなく、逆に濃く感じます。
後述する皮付きの三枚肉のため味が濃く感じるようです。
また、嬉しいのが皮付きの三枚肉を使って魯肉飯が作られていること。
中国や台湾の中華圏では豚バラの三枚肉(脂と肉の層が三枚に見えるためそう言われる)は皮付きで売られています。
三枚肉の脂と皮の間にはコラーゲンが多く含まれており、脂のコクとは違った濃厚さを生み出してくれます。
日本では角煮など三枚肉で作られる中華料理、台湾料理で皮付きの三枚肉を使っているところはあまり多くありません。
皮付きの三枚肉をつかった魯肉飯を出すのは貴重だと思われます。
ごちそうさま。
香味
最寄り:JR山手線 新橋、東京メトロ銀座線 新橋
住所:東京都港区新橋3-16-19
営業時間:11:30〜14:00、17:00〜23:30
休日:無休
喫煙:可
台湾ビール:あり
夜総合点★★★★☆ 4.0